東洋の美養果 なつめ

なつめとは jujube

1日3粒老い知らず「五果」の女神

なつめ(学名: Ziziphus jujuba Miller var.)
生薬名:大棗(たいそう)
クロウメモドキ科のナツメの成熟した果実を乾燥させたドライフルーツを指します。
生のなつめはリンゴのような酸味と甘みがあり、中国や東南アジアでは生でもよく食べられる親しまれた果実です。種類が多く、小粒の「金糸棗」や大粒で手のひらくらいある「インドなつめ」、最もポピュラーな「紅棗」など多様の種類があります。乾燥させることで生薬の大棗と呼ばれるのは多くが「紅棗」で、より甘みが強くふわふわとした食感は、プルーンほどべた付かず、デーツほど甘ったるくないので、食べやすさと利用しやすさも人気の理由の一つです。

養生では、
性質
帰経
脾、胃

      近年、特に女性に人気の「なつめ」は、古来より女性が食べる果実として重宝されてきました。
※デーツ(ナツメヤシ)ではありません。

栄養 nutrition

女性の果実

        大棗は生薬の中でも性質が穏やかで、様々な調理やスイーツ、他の素材との組み合わせにも幅広く利用されます。生のナツメの果実は、中国では古くから「五果」(棗・李・杏・栗)に数えられ珍重されてきました。日本には奈良時代には伝わったと言われており、最古の和歌集「万葉集」にも記載されています。
        中国や韓国台湾などでは非常にポピュラーで、縁起の良い食べ物として様々な場面に登場します。薬膳料理やアジアンスイーツ、煮物やお茶として楽しめて、特に近年は妊婦さんにとってほしい「葉酸」や女性に不足しがちな鉄分などのミネラルが含まれていることで注目されています。

       

主な栄養

  • マグネシウム
  • マンガン
  • カルシウム
  • 食物繊維
  • 葉酸
  • リン

歴史 history

「一日食三棗、終生不顕老」

1日3粒の棗(なつめ)たべれば老い知らずと言われるほどアンチエイジングにおすすめされています。
中国医学の陰陽五行説には、なつめは「李・杏・棗・桃・栗」の【五果】に挙げられ、古くから人々の健康に寄与してきたことが分かります。

西暦前11世紀から西暦前6世紀頃の中国はまさに戦国時代。周時代初期から春秋時代中頃までの詩歌を集めた「詩経」の中になつめが登場します。
なつめは干ばつに強く、さらに水に浸かっても耐えられる、適応性に優れた果樹で、古来より生命力の強い果実は縁起物としてもとして重宝されてきました。

戦国時代の遊説の士の策謀を国別に集めた『戦国策』にて「北にはなつめと栗の利があり、民が食するに足りる」という記述があり、戦国の時代に重要な働きをしていたことが伺い知れます。
また中国戦国時代の法家である韓非の著書「韓非子」には、大国であった秦国が凶作のときになつめと栗で民を救ったことについての記述があり、民間においてなつめは常に重宝されてきた農作物の一つでした。

日本への渡来は奈良時代以前とされていて6世紀後半の遺跡から果実の核が出土しています。日本では、果実を砂糖と醤油で甘露煮にし、おかずとして食卓に並ぶ風習が、古くから飛騨地方で見受けられます。
韓国では、薬膳料理として日本でも知られるサムゲタンの材料に使われるほか、砂糖・蜂蜜と煮たものを「テチュ茶(ナツメ茶)」として飲まれるなど幅広く利用されています。
欧米には19世紀に導入されキャンディ(当初はのど飴)の材料として使われるようになりました。

利用方法 how to eat

和洋中の調理からスイーツ、トッピングまで、幅広くお楽しみいただけます。

  • クコの実やサンザシなどと
    お茶として楽しむ

  • 参鶏湯や薬膳スープに入れて
    楽しむ

  • 甘くコンポートにしたり
    フルーツと組み合わせてスイーツに

  • お酒に漬けて果実酒として

  • そのままヘルシースナックとして

産地 production area

黄金の息吹が命を育むオーガニックの里

八仙のなつめは数多くある棗(なつめ)の産地の中でも、唯一オーガニックUSDA/EUBCSオーガニックを取得している(2023年現在)貴重な棗(なつめ)です。
農薬不使用や添加物不使用のみならず、目に見える証明として有機(オーガニック)認定を取得し、世界で最も厳しいと言われる欧米の認証を取得しています。

有機農園 organic farm

黄金の息吹が命を育む
オーガニックの里